出典:新日本プロレスワールド

レビュー 考察

18.10.8両国、伝説にならなかった歴史的な3WAYマッチ

投稿日:2018-10-11 更新日:

 

10.8両国国技館「KING OF PRO-WRESTLING」面白かったです!

新パレハあり、ジェリコ乱入あり、BCOG再編成あり、ケニーvs棚橋のにらみ合いと、消化しきれないぐらい盛りだくさんでした!

まずはメインイベントについて語らせてください。

このメインイベントは色々な意味でとても重要な試合になったと思います。

 

ケニーvs飯伏vsコーディーの3WAYは伝説になったのか?

メインイベントはケニーvs飯伏vsコーディーの3WAYによるIWGP選手権試合。

前回のエントリーでも書きましたが、この試合はめちゃくちゃ面白い試合になると思うが、ノレない自分がいる、と。

まさにそんな試合となりました。

試合は3人によるアクロバティックな激しい試合かつ、テーブルやら反則やらBL的イチャつきコメディなどもゴッタ煮されたアイデアあふれる試合となりました。

とても面白い試合でしたが、個人的にはユニークな方の試合になってしまい、ベストバウトや飯伏選手の言う伝説の試合にはならなかったように思います。

なんというか難しいんですが、面白いプロレスのアイデア発表会みたいに見えちゃったんですよね。

3人の手が合いすぎるというか、ケニー選手のアイデアをいかに3人で実現するかという風に見えちゃいました。

やはり、同じユニット内での3WAYをやるなら、そこに至るまでのストーリーをしっかり作るべきでした。

コーディー選手は戦う前に「歴史に残る最高の試合」をすると言い、飯伏選手も「伝説の試合になる」と言い、ケニー選手も「自分たちの歴史を作りたい」と言いましたが、「どんなことをしてでも勝ってベルトを獲ってドームのメインに立ちたい」という勝敗を語る人は一人もいませんでした。(質疑応答の中ではドームのメインに立ちたいと言っていました)

つまり彼らは「歴史に残る試合」をしたかったのであり、「IWGP」をとって「ドームのメイン」に立ちたかったようには見えなくなってしまいました。

そこが問題だったと思います。

日本のプロレスはスポーツライクなエンターテイメントだと思っています。

あくまでお客様に対しては勝敗論を見せた上で、演出として面白い試合を構築する必要があるわけです。

それをお客様に対して最初から演出を目的にしてしまっては、勝敗論という前提が吹っ飛んでしまい、乱暴に言えば、WWE的アメリカンプロレスもしくは、DDT的なんでもありプロレスになってしまいました。

新日本の選手がリングにいないので、致し方ないのかもしれませんが。

まだ1対1の試合ならそこまでズレなかったかもしれませんが、3WAYになったことでより演出が目立ってしまいました。

IWGP戦に3WAYという新しさを出すこと自体は賛成です。

特に10月両国のIWGP戦はベルトが動きづらいので、3WAYという新しさはあっていいと思います。

しかし、3WAYをやるならば、チャンピオン以外の二人が絶対にベルトを奪ってやるというサイコロジー的な戦いの緊張感を持たねばなりません。

そこのドラマが作れないのならやるべきではなかったと思います。

そして、根本的な問題点は、ケニー選手がプレイヤーとマッチメイカーを兼ね始めてしまったことだと思います。

特に新日本プロレスは年間を通して破綻のないようにドームを1年のゴールにした上で、毎月のマッチメイクが作られています。

アイデアあふれるケニー選手は恐らくリングの上だけでなく、マッチメイクにもアイデアを入れたくなってしまったのでしょう。

ただプレイヤーとマッチメイカーが同じになると客観性がなくなってダメになるのがプロレスの歴史だと思います。

初期バレクラ時代のケニー選手は魅力的でしたが、現在のゴールデンエリートのケニー選手は魅力が半減しているように見えます。

良くも悪くもケニー選手の海外人気が高いので必然的に発言権が高くなり、新日本プロレスもコントロールできなくなくなっているのではないでしょうか。

 

ケニーvs棚橋、イデオロギー闘争勃発!

そして、ケニー選手がIWGP戦に勝利したのち、リングに上がった棚橋選手はガチで怒っていました‥。

ケニー君、俺は怒ってるよ(※場内驚き&期待の声)。みんな拍手してたけど、ここは新日本だから(※大拍手&『棚橋』コール)。ああ、俺が敢えて言ってやるよ。ケニー、お前、賞味期限切れだ(※大歓声)。東京ドームで決着つけようぜ(※と言った瞬間にマイクを足元へ落とし、ケニーにIWGP挑戦権利証入りのアタッシュケースを見せつける)

引用:新日本プロレス公式

このコメントを聞いて、ケニー選手が棚橋選手に賞味期限切れっていうならわかるけど、棚橋選手が言ってもなぁって感じで思っていました。

しかしその翌日の一夜明け会見でその真意が分かりました。

それも言葉が足りなかった部分があると思うんですけど、ケニーのプロレスは食傷気味なんですよね。プロレスは激しく厳しいものであっても、残酷なものではあってはならないっていう考えなんですよ。で、技術も良い、ビジュアルも良い、運動能力もすごい。けど、「何かが違うな?」って感じてて、「なんだろう?」と思って昨日気付きました。プロレスに品がないです。そういった意味です。

引用:新日本プロレス公式

特に3WAYがどうのこうのっていうことではないんですよ。プロレスラーはファンの皆さんに楽しんでもらって、盛り上がってもらってっていうのが、ボクの中であります。ただ、昨日の試合だったり、ここ最近のケニーの試合を観てると、飯伏との2人の関係性だったり、BULLET CLUBのいざこざだったりが、ファンに伝わる前に闘ってる自分たちが気持ち良くなっちゃってる感じがするので、そういう風に感じますね。怒っているっていうのは、やっぱりベルト。ベルトっていうものは目指すべき位置に置いててほしいっていうのがあるし。チャンピオン=ケニー・オメガ=新日本プロレスって顔なので、「このままじゃいけないな」っていうことで、そういう言葉になりました

引用:新日本プロレス公式

賞味期限切れと食傷気味という言葉は全然意味が違いますが、食傷気味という意味で使ったのなら棚橋選手の言いたいこともわかる気がします。

そして激しく同意できたのは「ファンに伝わる前に闘ってる自分たちが気持ち良くなっちゃってる感じ」という部分です。

まさにこの言葉がとてもしっくりきます。

特にIWGP戦の中でのケニー選手の飯伏LOVEみたいなコントは、見てる方は冷めるし、本当にケニー選手が気持ち良いだけって感じがしますね。

もう一つ納得できた言葉は「ベルトっていうものは目指すべき位置に置いててほしい」というとろころです。

大前提としてベルト>ベストバウトでなければプロレスの試合が成立しなくなってしまいます。

しかしケニー選手はベストバウト>ベルトになってしまうので、嘘でもいいから表向きはベルト>ベストバウトにしていだきたいです。

棚橋選手の発言はかなりシュートな内容で、ケニー選手のプロレスに対して激しい危機感を持っていました。

オカダ選手や内藤選手と並び立つ棚橋選手は少し頼りなく見えるのですが、ケニー選手を前にした棚橋選手はいつになく頼もしく思え、俄然東京ドームが楽しみになってきました!


2011年の棚橋弘至と中邑真輔 [ 柳澤 健 ]

 

伝説にならなかった歴史的な3WAYマッチ

本エントリーに皮肉なタイトル名をつけました。

選手が戦う前に「歴史」とか「伝説」とか思えば思うほど、試合は「歴史」や「伝説」が遠のいてしまうという逆説的な意味でタイトル名をつけました。

ケニー選手には批判的なエントリーになってしまいましたが、大好きな選手の一人には間違いありませんし、WWEにもできれば行ってほしくありません。

まさに「エリート」な意識が行き過ぎてしまったような気がします。

プロレスはレスラーのアイデアと身体能力の産物かもしれないけど、イデオロギーの違うレスラーのアイデアと戦うことで、人々の想像を超えるベストバウトが生まれてくるのではないでしょうか。

また一つプロレスの奥深さを知ることができたメインイベントだったと思います!


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