出典:NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

L・I・J 考察

プロフェッショナル内藤の流儀、そしてテレビが伝えるプロレス。

投稿日:2018-11-21 更新日:

 

さまざまな分野の第一線で活躍中の一流のプロの「仕事」を徹底的に掘り下げるドキュメンタリー番組、「プロフェッショナル 仕事の流儀」。

ついに内藤選手が登場しましたね。

内藤哲也の流儀、しっかりと自分の目と自分の耳で、確認しましたよ。

SNS上でも評判は上々のようで、とても好感のもてるドキュメンタリーでした。

今年は「アナザースカイ」にオカダ選手が出演して、「情熱大陸」に棚橋選手が出演しました。

結果的に各選手のキャラクターが一番フィットした番組に出演したような気がします。

子供がそのまま大人になったようなオカダ選手は、フットワークが軽くコミュ能力が高いので、旅をテーマにした「アナザースカイ」がしっくりきます。

暗黒期から新日本のすべてを背負い、リング上で愛を叫ぶ棚橋選手は、情熱をテーマにした「情熱大陸」がしっくりきます。

新日ファンからレスラーになって、四六時中プロレスのことを考えている内藤選手は、まさに「プロフェッショナル仕事の流儀」がしっくりきます。

プロレスを知らない人々にも、プロレスと内藤哲也が届くとうれしいですね。

 

 

ファンが知らない内藤哲也。

一番に会場入りしてお客様が入っていない会場を撮影する内藤選手。

試合が終わった後、深夜一人でトレーニングする内藤選手。

試合の動画を振り返りながらトレーニングする内藤選手。

出典:NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

膝の水を抜き、痛がる内藤選手。

被災した小学校を慰問する内藤選手。

盛り上がらなかった試合を反省する内藤選手。

 

制御不能化した内藤選手の普段の姿は、中々見ることができなくなってしまったので、かなり貴重な映像の数々だったと思います。

リング上では制御不能なプロレスラーもリングを降りれば、地味で過酷なトレーニングと地道な試合後の反省。

常に第三者のファン視点に立って試合を振り返る。

かつてプロレスファンだった内藤少年のまなざしになって試合を振り返る

面白い試合をしているのか、と。会場を盛り上げているのか、と。

仕事でもなんでも、やればやるほど自分のやっていることに客観性が見えなくなってくるのはよくある話で、クリエイティブな作業であればあるほど神の視点が必要なんですよね。

その視点がかつて新日本プロレスファンクラブに入っていた内藤少年っていうのが、いかにも内藤選手らしいエピソードです。

昔、裕二郎選手が雑誌のインタビューで語っていましたが、ノーリミット時代に海外で試合が終わってからタマ選手らと遊びに行く時、内藤選手を誘ってもいつもホテルでプロレスのDVDを見ていて誘いに乗らない、と。

若い頃から寝ても覚めてもプロレスだったんですよね。

このプロレスへの飽くなき探究心が内藤選手をここまで連れてきてくれたんだなって感じました。

 

興味深いのは、内藤選手が勝負の話より会場を盛り上げることや、ファンを楽しませることに重点を置いているところです。

他の選手だときっと勝負論になっちゃうと思うんですよね。

「誰にも負けない体を作る」とか、「明日の試合には必ず勝つ」とか、そういう話になっちゃう気がします。

でも内藤選手の場合、建前的に勝敗は大事なんだけど、それよりもファンは楽しんでいるのかの方が重要なんですよね。

それが最後のこの言葉につながるのだと思います。

勝った、負けた、そんな小さいことでオレらこのプロレスしてないですよ

そこが昔のレスラーと決定的に違うところであって、もしかしたらプロレスの歴史が内藤以前と内藤以後で分かれるかもしれないぐらいの重要なワードなんだと思います。

 


プロレス総選挙(2018) 第1位内藤哲也「俺を超えるのは俺だけ」 (Sports Graphic Number PLUS)

 

「受けの美学」から考えるテレビが伝えるプロレス。

途中で「受けの美学」をオカダ選手が語っていました。

この言葉はオカダ選手だけでなく、多くのプロレスラー・プロレスファンが使う言葉なんですが、個人的には少し違和感があります。

受けるっていうことを美学にすると、勝敗論の言い訳みたいに聞こえてしまうというか‥。

受けなくてもいいけど、あえて受けることがプロレスの美学って言われても、プロレスに興味ない人には「なんでやねん」って伝わらない気がしちゃうんですよ。

昔「ナカイの窓」という番組で「スー女VSプ女子」という企画があったんですけど、スー女(相撲ファンの女性)代表の女優の紺野美沙子さんが、「プロレスって真剣勝負なの?」って聞いて、プ女子代表のアイドルの小池美由さんが「真剣勝負ですよ!」って言い返すシーンがあったんですよね。

そこにすごい違和感があって、真剣勝負だ!、って答えても違う気がするし、真剣勝負じゃない!って答えても違う気がするんです。(個人の見解です)

テレビでプロレスを語るとき、そこの微妙な問題をどう語るかというのはとても難しい気がします。

WWEみたいにカミングアウトしていれば問題ありませんが、新日本が同じようにやるのはどうかと思いますし、真剣勝負が見たいならRIZINや相撲を見ればいいわけです。

そんな中で、今回の内藤選手の番組を見ていて一番しっくりきたのは前述したこの言葉。

勝った、負けた、そんな小さいことでオレらこのプロレスしてないですよ

勝った負けたを超えたところにプロレスの良さってあると思うんです。

それがプロレスの面白さであり、醍醐味なんだと思うんですよね。

とはいえ、勝敗を無視してしまうわけにもいかないのが難しいところ。

番組をよく見ると内藤選手がこの言葉を述べたのはメキシコのバックステージなんですよね。

出典:NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

日本だとこの言葉は言いづらいんじゃないのかなって感じました。

負けてもいいのかって話になっちゃうんで。

メキシコの自由な風を浴びた時に、日本では言いにくい本音のこの言葉を言ってしまったんじゃないかな、と。

「勝った、負けた、そんな小さいことでオレらこのプロレスしてないですよ」

プロレスを語るもっといいい言葉があるのかもしれませんが、現状これ以上の言葉は見つかりません。

そしてなんと、この言葉はあらゆる場面でも使えます!

使用法

  • 失恋した時、「好き、嫌い、そんな小さいことでオレらこの恋愛してませんよ」
  • 仕事で失敗した時、「成功した、失敗した、そんな小さいことでオレらこの仕事してませんよ」
  • 太った時、「太った、痩せた、そんな小さいことでオレらこのご飯食べてませんよ」
  • 運が悪かった時、「運、不運、そんな小さいことでオレらこの人生生きてませんよ」

 


プロレス総選挙(2017) 第1位内藤哲也「俺だけが見える景色」 (Sports Graphic Number PLUS)

 

ロス・インゴベルナブレス、トランキーロ、デ・ハポン、がない内藤哲也

映像に全くと言っていいほど、ロス・インゴベルナブレスっていう単語が出てこなかったですね。

トランキーロも、あっせんなよも、なかったかな。

デ・ハポン合唱はリング上じゃなくて小学校の校庭で‥。

NHK側が意図的にこの辺の単語を編集してましたね。

恐らくは、一般の人に向けてプロレスと内藤哲也を伝えるために、分かりづらい要素は極力省いたのかなって思いました。

1時間弱の中で、新日本プロレスと内藤哲也を伝えるのは至難の技ですから、致し方ないのかもしれません。

それでも個人的には聞きたかったですけどね、内藤選手の大事なキーワードをNHKで。

 


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