出典:新日本プロレスワールド

考察

最終戦で消えた棚橋弘至とイデオロギー闘争。2018年のケニーにノレない理由。

投稿日:2018-12-23 更新日:

 

お久しぶりです、忙しくてブログ更新できませんでしたが、ようやく復活しました!

とにかく、やはり東京ドームメインイベントについて語らなければいけません!

 

期待はずれの最終戦

まずは、新日本プロレス2018年の最終戦12.15後楽園ホール、いかがでしたでしょうか。

あっという間に1週間経ってしまってて、今更なんやねん状態ですが、言わせてくださーい。

最終戦のメイン、ゴールデンラバーズvs棚橋&オスプレイ組の試合はとても白熱しましたね。

SNS上でもすこぶる評判が良かったようです。

ゴールデンラバーズのベストバウトとも言われているようですが、何よりもオスプレイ選手がめちゃくちゃ強かったです。

何ならケニー選手と飯伏選手の二人を相手に一歩も引かずに戦っていましたから、ケニー選手より強く見えましたね。

まさにベストバウトにふさわしい試合だった思います。

が、しかし、試合を見終わった後、誤解を恐れずに言えば、こう思ってしまいました。

 

見たかったのはコレじゃない‥。

 

ビッグマッチ以外の2シリーズの前哨戦を休んでいたケニー選手がやっと前哨戦に来てくれた、ようやく棚橋選手との前哨戦が見れると思ってました。

しかし、試合途中からオスプレイ選手は棚橋選手と交代せず、オスプレイ選手とゴルラバの3人は身体能力を生かしたアスレティックな試合を進めていきました。

その結果、棚橋選手の存在感は薄れに薄れて、最終的に試合から消えてしまいました。

もちろん随所にハイフライフローなどの見せ場はありましたし、ケニー選手が掟破りのスリングブレイドを出したり、前哨戦らしき部分もあるにはありましたが、試合が終わった後の印象の中に棚橋選手はいなくなってしまいました。

皮肉にも第1試合で行われる飯伏選手とオスプレイ選手の試合は期待感がパンパンに膨らみましたが、メインイベントのケニー選手と棚橋選手の試合への期待感はすれ違ってしぼんでしまったように思います。

こんなことなら、棚橋選手がボコボコに負けた方がよっぽど期待感が上がりました。

まあ、いろいろ意見はあると思いますが、少なくとも筆者にはそう見えてしまいました。

そしてさらに試合後、ケニー選手はリング上のマイクでこんなことを言ってしまいます。

だからさ、俺の考え方は正しいかと思ったんですけど、ま、もちろんタナの考え方も正しくはないと思ってるんですけど、もしかしたらさ、2人とも間違っているかもしれない。ホントの一番いいスタイルは、今日みたいな試合(※大拍手)、すべてを懸けて、全力で、魂で、試合をやる…のが! 正しいんじゃないですかね?(※大拍手)

引用:新日本プロレス公式

このセリフを好意的に受け取る方が多数かとは思いますが、筆者はガックリきました。

誤解を恐れずに言えば、こう思ってしまいました。

 

このセリフは今じゃない‥。

 

なぜなら、このセリフは東京ドームで勝った方に言って欲しかったセリフだったからです。

ケニー選手のいないシリーズを棚橋選手はイデオロギー闘争という話題で何とかのりきってきました。

にもかかわらず、最後の最後の前哨戦の一番煽らなきゃいけない時に、ケニー選手はド正論でイデオロギー闘争を遥か彼方に消し去ってしまいました。

そんなド正論はみんな知ってるし、当たり前の話だと思います。

この試合は東京ドームの最後の前哨戦であり、最も重要なミッションはドームへの期待感をパンパンに膨らませることです。

しかしケニー選手は、棚橋選手の発言によって自分が新日本プロレスに侵攻する外敵に仕立て上げられるのを懸念していたのか、イデオロギー闘争そのものを否定しました。

ケニー選手のこの発言によって棚橋選手との対立軸は薄まり、結果的に最重要ミッションであるドームのへの期待感をしぼませてしまったと思います。

 

2018年のケニー・オメガにノレなくなった理由

少しケニー選手の歴史を振り返ってみたいと思います。

2014年にDDTから新日本に移籍してきた後、チャンスを掴むためにヒール軍団のバレットクラブに加入しました。

それ以降の活躍はご存知の通りで、AJ選手の抜けた穴を埋め3代目バレットクラブリーダーとして大活躍しました。

2016年はエルガン選手とのエンタメラダーマッチ、G1での内藤選手や後藤選手との死闘、2017年はオカダ選手との2度にわたる超人対決、USヘビーをめぐる様々な戦い、2018年はジェリコ選手との異次元対決、などなど、素晴らしい試合を見せてくれて筆者も素直に応援していました、ケニー選手のIWGP戴冠を本気で望んでいました。

そして2018年にケニー選手がゴールデンラバーズを復活させた瞬間、こう思いました。

ヤバイ!今年はゴルラバでタッグ戦線にも入ってきたら楽しみで仕方ない!、と。

しかしその辺りから、なぜかケニー選手にノレない自分がいました。

試合はすごいけど、なんだか応援する気になれなくてモヤモヤしてしまう‥。

なので、ノレない理由を自分なりにいろいろ考えてみました。

 

1.試合数が極端に少なくなって、ほぼビッグマッチ参戦なってしまい感情移入できない。

 

出典:新日本プロレスワールド

今回の東京ドームのメインイベントの前哨戦ですら、ほとんど出場しないで万全の体を作っていたケニー選手。

膝をかばいながらも巡業に出場していた棚橋選手。

もちろんどちらが正しいということはありません。

ケニー選手の最終戦のアクロバティックな試合を見れば、巡業よりもビッグマッチを優先することの方が正しいかもしれません。

膝をかばいながら試合をしてしまった棚橋選手はそもそもプロとして失格かもしれません。

しかし、少なくとも巡業に来ないでビッグマッチにしかこない選手には感情移入できないのです。

それで新日本のリーダーになると言われても、自分はノレません。

 

2.新日本のストーリーよりもやりたいことを優先してしまって、そのスタンスが理解できない。

おそらくバレットクラブというヒールをやってほしいというのは新日本からの提案で、ケニー選手としては一刻も早くヒールとは関係ないエリートとゴルラバに比重を置きたかったのだと思います。

最終戦の本音のマイクから鑑みるに、ケニー選手はヒールよりゴルラバのような明るく楽しいベビーフェイスになりたいことを物語っていたと思います。

とはいえ、バレットクラブを辞めるというストーリーがない状態にもかかわらず、ゴルラバを始めたことで、ケニー選手のスタンスがよくわからなくなってしまいました。

片方でバレットクラブの分裂ストーリーをやりながら、片方で楽しそうなゴールデンラバーズをやっているのを見ていると、何がしたいのかよくわかりません。

その後タマ選手の裏切りにあってバレットクラブを追われる立場になっているのに、バレットクラブに対して言及しないのも、極めて不自然で理解できません。

新日本の要求にも問題があるかもしれませんが、新日本のストーリーよりもやりたいことを優先してしまって、ケニーファン以外の理解を得られていない気がします。

さらにその混乱のスタンスに巻き込まれた裕二郎選手とチェーズ選手がエリートでもバレットクラブでもない奇妙な立ち位置になってしまい、多大な被害を被っている状況です。

また、3WAYのIWGP戦でも同じユニットの3人が戦う理由がないままに突然3WAYを始めた印象があり、誰にも感情移入できませんでした。

3WAYのIWGP戦というアイデア自体は別にいいと思いますが、やるならやはり敵対するユニットの3人でやるべきで、緊張感のない友達同士で戦うなら、ストーリーにもっと気を使わなければいけなかったと思います。

最終戦の試合後のマイクの本音でもわかるように、ケニー選手にとって、細かなストーリーや戦う理由より、リング上のベストバウトが何より重要なのでしょう。

 

 

ベストバウト至上主義

出典:新日本プロレスワールド

冷静にケニー選手にノレない理由を考えてまとめた結果、なんとなくまとまってきました。

要するに誤解を恐れずに言えば、ケニー選手が「目指す理想的な体」と「やりたい試合内容」と「強いベビーフェイス願望」を優先するあまり、ストーリーや戦う理由を軽視してしまい、各所にシワ寄せが感じられるのがノレない理由の一つだと思います。

思えばケニー選手が二つ名をクリーナーからベストバウトマシーンに変更したそのあたりから、ケニー選手に感情移入できなくなりました。

その二つ名通り、言ってみればケニー選手は「ベストバウト至上主義」です。

ベストバウトのために、巡業を休んでベストなボディメンテナンスを行う。

ベストバウトのために、多少ストーリーが強引でも気にしない。

WWEと新日本の違いはリングの上の戦いが、よりリアルかどうかだと思います。

リングの上の戦いを重要視するケニー選手は、ある意味最も新日本的であるとも言えます。

しかしそれによって、新日本プロレスはケニー選手のいない前哨戦の巡業を別の話題で補ったり、ケニー選手が来日した時のためのタッグパートナーを別枠で用意したり、歪みが出まくっています。

つまり、ベストバウトのためにやりたい放題のケニー選手にノレなくなったんだと思います。

これを棚橋選手はケニー選手が「自分だけ気持ちよくなっちゃっている」と称す理由なのではないでしょうか。

 

人間力プロレス

最近Web上のローリングストーン誌で棚橋選手のインタビューがアップされました。

棚橋:今のケニーがやってる試合って、単に自分の身体能力の高さを見せびらかしているだけだから。もちろん、彼の身体能力は称賛に値するものだけど、プロレスは、技の“凄さ”を競い合うだけのスポーツじゃない。あのスタイルがファンを喜ばせているのは事実だとしても、レスラーは目先のトレンドに惑わされず、ひとつひとつの技に意味と魂を込めて闘う、いわゆる「人間力」の“凄さ”を競う試合をしなければならないんです。

引用:ローリングストーン Webサイト

棚橋選手の「人間力」ってわかるようでわからない、これを語るのはものすごく難しいですね。

例えば、棚橋選手と内藤選手が対峙すれば、戦い以上の心理的な熱い何かが試合の中に漂ってきます。

そういう戦い以上の何か熱いもの、それを感じさせるのが「人間力」なのかなって思います。

 

2016年と2017年のケニー選手には新日本のストーリーの中で、レスラーとしてリアルにのし上がっていくストーリーがありました。

そこにはケニー選手の確かな「人間力」があったような気がします。

しかし、一定の結果を残したケニー選手はすべてのストーリーをコントロールしてベストバウトを求めるあまり「人工的な凄さ」を作り上げてしまったような印象があります。

筆者はケニー選手の激しい試合スタイルを否定するつもりはありませんが、「人工的な凄さ」が強すぎて「人間的な凄さ」が入る隙間がなくなってしまったような気がします。

 

ベストバウトか?人間力か?

棚橋:でも、そうじゃないんだなぁ(笑)。今回の闘いで決まる方向は“前後”ではなく“左右”なんですよ。新日本プロレスを成長させたい、プロレスの魅力をもっと広めたいという気持ちは、ケニーも僕も変わらないと思うんです。ただ、その手法が異なるだけ。確かに僕が勝ったら、今のような盛り上がりに水を差すことになるかもしれない。でも最終的には、間違いなくプロレス業界、そしてプロレスファンのために正しい舵取りになると信じていますから。

引用:ローリングストーン Webサイト

新日本プロレス大忘年会でも言っていましたけど、伝統と革新という前後の話ではなく、ケニー選手の「ベストバウト至上主義」と棚橋選手の「人間力プロレス」の左右どちらが正しいかという話が本質のような気がします。

棚橋選手のすべての意見を支持するわけではありませんが、現時点においては棚橋派です。

ケニー選手のことも大好きですが、今は全くノレません。

もちろんロスインゴ推しではありますが。

そもそもベストバウトって結果的になるもので、プロレスの建前上、目指すものではないと思います。

アスレティックな運動神経は重要ではあるけれど、絶対ではない。

それこそ技術と運動神経を推し進めれば、プロレスがサーカスになりかねない。

やはり人間力のような泥臭い曖昧なものがなければ、プロレスは輝きを失ってしまう気がします。

 

まとめ

ケニー選手の試合には魅了されるけど、今はノレないから断然棚橋派!

 

 

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